高速道路の逆走は、2日に1回起きている「身近な問題」
国土交通省によると、全国の高速道路での逆走事案は、2015年~2023年の平均で年間約200件発生しています。概ね2日に1回の頻度で起きており、そのうち約2割が事故につながり、負傷者や死者が出る重大事故も毎年起こっています。
逆走事案の発生状況
- 全国の高速道路では、概ね2日に1回の頻度で逆走が発生。
- 逆走事案の37%が分合流部(インターチェンジやジャンクション)・出入口部で発生。
- 逆走した運転手の年齢は、65歳以上が68%、うち、75歳以上が46%を占める。
- 逆走事故は、死傷事故となる割合が高速道路での事故全体に比べ約3倍、死亡事故となる割合が約38倍。
逆走の可能性は全ての人にあります
2023年の逆走事案の開始要因の約5割は、「道間違いが発端」
例:目的のICを通り過ぎてしまい、本来出ようとしていたランプに戻ろうとして故意に逆走した。 | ➡ 本来のルートへ復帰するための逆走(故意) |
例:高速道路に誤って進入したことに気付き、一般道に戻ろうと料金所手前で転回し、逆走と思わないまま反対車線の流入ランプを逆走した。 | ➡ 本来のルートへ復帰するための逆走(過失) |
例:一般道から高速道路への進入箇所を間違って、出口へ誤進入した。 | ➡ 進行するべきルートを誤って逆走(過失) |
国土交通省や高速道路各社が2023年の逆走原因を分析した結果、「本来行きたかったルートに戻る(故意・過失)」や「進行するべきルートを誤って逆走(過失)」といった、道間違いが発端となる逆走が約5割となりました。
逆走事案の約4割が分合流部(インターチェンジやジャンクション)・出入口部で発生しています。標識や道路標示をしっかり確認し、道間違いを起こさないようにすることが、万が一を防ぐために必要です。
逆走事故はみんなで防ぎましょう
逆走車を発見した場合(逆走車情報を見聞きした場合)
- 速度を落とし、十分な車間距離をとって走行
交通情報板やラジオなどで逆走車情報を見聞きしたときは、速度を落として、前車と十分な車間距離をとって走行しましょう。
- 衝突を避けるよう注意して走行
逆走車は追越し車線(最も右側の車線)を走行してくる傾向がありますので、第1通行帯(最も左側の車線)を走行しましょう。逆走車を前方に発見したら、路肩等の安全な場所に停止し、衝突を避けるよう注意して走行してください。
- 逆走車情報の通報
逆走車を発見した場合は、同乗者から110番通報を行うか、最寄りのサービスエリア等の非常電話などから逆走車があることを直ちに連絡してください。
出典:警察庁ウェブサイト(https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/highway/)
逆走してしまった場合
- 近くの安全な場所に停止し、ハザードランプを点灯
逆走をしてしまった場合は、直ちに近くの安全な場所(路肩など)に停止し、ハザードランプを点灯してください。中央分離帯が左側にあったり、道路標識が裏側になっている場合は、逆走している可能性がありますので注意しましょう。
- 安全な場所に避難
車を停止した後は、車から離れて、ガードレールの外側などの安全な場所に避難してください。車内にはとどまらないようにしてください。
- 逆走したことを通報
安全な場所に避難した後は、110番通報や非常電話により、逆走してしまったことを通報してください。警察官等が到着して安全が確保されるまでは、通報後も安全な場所で待機してください。
出典:警察庁ウェブサイト(https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/highway/)
高速道路の逆走は命に関わる危険行為です
そして、2日に1回起きている「身近な問題」です。自らが逆走しないように注意するとともに、逆走車を発見した場合は、衝突しないように注意し、逆走車があることを直ちに連絡することが大切です。その通報が、情報板や道路情報ラジオのお知らせにつながり、逆走車があることを多くのドライバーが知ることができます。
逆走事故をみんなで防ぐために、一人一人が逆走防止策&対応策を身につけましょう。