酷暑は人に限らず、車にとっても大変です。
今回お預かりの D-5 は、ヒート気味で入庫したのですが、
ラジエーターのアッパータンクに亀裂(クラック)が見つかり、そちらからの水漏れを確認しました。
ラジエーター
ラジエーターとは車のエンジンを冷却するための部品です。走行中のエンジンは大量の熱を発するため、冷却しないまま走行を続けるとやがてオーバーヒートを起こします。ラジエーターの中にはエンジンの熱を奪うための冷却水が入っており、ラジエーターのホースを経由して、エンジン内にある水路(ウォータージャケット)へと循環されます。熱を奪って高温になった冷却水はラジエーターに戻り、ファンと走行時に受ける風の作用によって冷やされます。このように冷却水がエンジンとラジエーターを常に循環する事で、エンジンの温度を一定に保っています。
ラジエーターが機能しなければ、オーバーヒートや重大な事故に繋がる恐れがあります。
取り外したラジエーターです。
ラジエーターには二つのタンクがあります。ひとつは「アッパータンク」で、エンジンの熱を奪ってきた高温の冷却水が流れ込んできます。もうひとつが「ロアタンク」で、ラジエーター内で冷まされた冷却水が溜まっていきます。
エンジンの熱を奪ってきた高温の冷却水が流れ込んでくるため、常にアッパータンクは高熱です。冷えているロアタンクと比べ、高熱のアッパータンクは劣化しやすく、さらに長年の使用で亀裂(クラック)が入ったことが、水漏れの原因だと思われます。
ラジエーターは、リビルトパーツ(再生部品)で交換させて頂く事になりました。
ラジエーターを外した後のエンジンルームです。幸い、ラジエーターのスペースが狭くなかったので、順当にリビルドパーツと交換して、早くお客様の元へお返し出来るように頑張ります。
リビルトパーツとは
リビルトパーツは再生部品とも言われています。使用済み部品を分解し、磨耗・劣化した部分を新品部品と交換して、再度組み立てて品質チェックを行った部品のことです。専用テスターなどにより作動チェックを行い、安全性・耐久性が実証されたものが出荷されています。信頼性は非常に高く、新品の部品に比べ低価格でご提供できることから、リビルトパーツの需要は年々増加しています。マエダでもお客様のご要望にあわせて、リビルドパーツでの修理をご提案させていただいております。
冷却水(クーラント)の漏れは夏でも冬でも起こりますが、夏場は特にオーバーヒートや重大な事故に繋がる恐れがあります。
夏の暑さでお車には負担がかかっています。季節の変わり目はお車の点検サインです。お車のことで気になることは、ぜひマエダにご相談ください。
(松原整備センター・フロント:大西)